秘境の親子丼：熊本県上益城郡矢部町
【矢部野ファーム】
岩部さんとの打合せを終えて空港に帰る途中“えらい”ところを見つけてしまった。
その看板が一瞬目に入り、通り過ぎようとしていた車をＵターンさせた。
看板の方向に400ｍほど進んだところに“ありえねぇ〜！！！”と思わず叫んでしまったすごい光景が飛び込んできた。
川を挟んだその向こう側に『大草原の小さな家』のような手作りの民家とビニールハウス。
本当にこんなところで人が住んでいるのか疑いつつも道端に車を止めて降りていく。
中から女の人が見えたのでちょっと安心。
奥さん：「どうぞどうぞ」（笑顔で）
と案内された客間。
（左側の写真をご注目 プレハブの下に水槽が完備されていてご主人がヤマメを飼っている。春先に食べるんだそうだ。）
メニューの札を見て、
ボク：「親子丼と地鶏のタタキセットをお願いします。 時間があまり無いのですが大丈夫ですか？」
奥さん： 「急いでしますのでお待ち下さい」
この場所から空港までは約30分はかかるのであまりゆっくり食べてはいられない。
それでもなぜかこの怪しさに興味津々で客間から出て周りをキョロキョロ。
気がつけば厨房の前まで来ていた。
こちらもご主人発見。
奥さんはどう見ても普通の人に見えたが、このおっちゃんはかなり怪しい。
「作るのを見せてもろてもいいですか？」
ご主人： 「いかんいかん！企業秘密だけん。 君 市内からか？」
ボク：「いや四国からです」
ご主人： 「なんや四国！高松か！」
ボク：「なんで分かったですか？高松です」
実はここのご主人は、高松生まれで小学校3年まで住んでいたらしい。
ローカルな話題で盛り上がり、
ご主人： 「こっちで食え」
と身内が食べるスペースで食べさせてもらうことになる。
- 地鶏のタタキ
皮の部分の変な臭みもなくうまい。
- 親子丼
シンプルな親子丼だが、地鶏の歯ごたえと鶏の出汁がグー！
- 炭焼き
これは頼んでないのにサービスしてくれた。
ご主人： 「かしわの刺身もおいしいでぇ〜 肝も食べてみるか？ 鶏をさばくところ見るか？」
『こんなチャンスはめったに無い、飛行機を一便遅らせな』と慌てて電話する。
携帯の電波は全く繋がらない所なのでご主人の自宅の電話を借りて連絡。
飼育しているところから良さそうな鶏を見つけてくると、いきなり絞めにかかった。
頚動脈を絞めてからさばくやり方をしていた。
ちょっとあまりにも映像的に適さないカットもあったのでかなりこれでも省略したが、こんな感じて解体完了。
とれとれの肝とカシワの刺身をご馳走になる。
さらっと書いてしまっているので伝わらないかもしれないが、この工程を一通り見させてもらうと改めて生き物を頂くことで僕達人間は、生きていけるということを実感したのだ。
「命を頂きます ありがとう」だと思った。
「今日はまだ寒いけど、4,5月頃はこの辺りは最高で。鶏の鍋もあるからまたおいでよ。」
「寝袋持参したらここで泊めてあげるわ。五右衛門風呂に入ってみる星空の眺めはほんまに最高だけん。」
それはええこと聞きました。また寄せてもらいます。
熊本からの帰りにボクはすごいところを見つけてしまった。
食堂メモ
| 店名 |
矢部野ファーム |
| 住所 |
〒861-3455 熊本県上益城郡矢部町北中島409 |
| 休み |
不明 |
| TEL |
0967-75-0585 |
| 営業時間 |
不明 |
予約で3,000円のフルコースがある。鶏鍋もあるそうだ。 |
